Q4:本人の希望などを踏まえたうえで、同じ乗務員に対して日勤勤務と隔日勤務を組み合わせた勤務割を組むことはできるでしょうか? その場合、改善基準の拘束時間はどう考えたらいいでしょうか?

A4:143号通達により、日勤勤務と隔日勤務を併用することはできないとされています。

解説

Q2の中で、「1か月単位の変形労働時間制」を採用すれば、上限時間(31日の月なら177.1時間、30日の月なら171.4時間など)におさまるように勤務を組むことにより、平均した時に週40時間以内になれば法律上OK、とご説明しました。この考えに則れば、日勤勤務と隔日勤務が混在していても、総所定労働時間が上限時間におさまっていれば、労働基準法上は問題ないように見えます。

しかし、日勤勤務と隔日勤務が混在するような働き方は、それだけ生活のリズムもバラバラとなり、単に働いた時間以上にキツイですよね。

実は、自動車運転者に対して起こり得る、このような勤務併用に関しては、行政通達でNoと示されています。
日勤勤務と隔日勤務を併用して頻繁に勤務態様を変えることは、労働者の生理的機能への影響にかんがみ認められない
(自動車運転者の労働時間等の改善のための基準の一部改正等について 平成9.3.11基発第143号 いわゆる「143号通達」)

したがって、本人の希望や同意があろうが、そもそも「認められない」働き方なのです。

もっとも、この文章には続きがあります。
「したがって、日勤勤務と隔日勤務を併用する場合には、制度的に一定期間ごとに交代させるよう勤務割を編成しなければならない」
この場合の一定期間の長さについてまでは示されていませんが、この通達の趣旨を考えれば、一か月の勤務割の中の1週単位とか2週単位ではなく、少なくとも、日勤、隔勤それぞれ拘束時間の基準が定められている1箇月単位以上と考えるべきでしょう。