福岡の社会保険労務士渡辺事務所 改善基準について解説&考察します

累進歩合給制について考える③

3.積算歩合給制とは

積算歩合給制とはどういうものかみていきましょう。
積算歩合給制は、運賃収入等をいくつかに区分して、区分ごとに歩率を変え、歩合給の計算は、各区分間の運賃収入等応じて、対応する歩率を乗じた金額を合計する方式です。区分ごとの歩率は、徐々に高く設定するのが一般的です。

文章だけですと、累進歩合給制と何が違うんだ? という感じですが、以下の図をみていただければわかるかと思います。

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a%,b%,c%で徐々に歩率は高くなるけれど、運賃収入等と賃金の関係を表すカーブに不連続点(断点)がないからOKということです。(運賃収入等に応じて、歩率を徐々に上げること自体は否定されないようです。)

では、不連続点(断点)をつくらないためにはどうするかというと、次のような式で賃金を計算することになります。

○ 運賃収入等がA以下の場合
賃金=固定給
○ 運賃収入等がAを超えB以下の場合
賃金=固定給+(運賃収入等-A)×歩率a%
○ 運賃収入等がBを超えC以下の場合
賃金=固定給+(B-A)×歩率a%+(運賃収入等-B)×歩率b%
○ 運賃収入等がCを超えた場合
賃金=固定給+(B-A)×歩率a%+(C-B)×歩率b%+(運賃収入等-C)×歩率c%

実際の計算は次のようになります。
【条件】
・運賃収入等の区分 A:35万、B:40万、C:45万
・歩率 a:40%、b:45%、c:50%
・固定給15万

①運賃収入等37万の場合
賃金=150,000+(370,000-350,000)×40%=158,000

②運賃収入等42万の場合
賃金=150,000+(400,000-350,000)×40%+(420,000-400,000)×45%=179,000

③運賃収入等50万の場合
賃金=150,000+(400,000-350,000)×40%+(450,000-400,000)×45%+(500,000-450,000)×50%=217,500

正直、なんと面倒な・・・という気もしますが、システムに組んでしまえば何とかなるでしょう。少人数ならExcelで数式を組んでしまうことも可能です。

一方、賃金規程にどう表現すればいいかは悩ましいところです。
実際に、あまり目にしたことはないのですが、上記の数式をそのまま記載するのもありでしょうし、もう少し簡略に、文章で表現するのもありでしょう。

一番大事なのは、乗務員さんにとってわかりやすい表現とすることです。

この考察の結論を言うと、累進歩合給制を導入している場合は、最終的には、この積算歩合給制か、あるいは歩率が一定の一律歩合給制に移行していかざるを得ないということでしょう。
これは、「足切」も否定するような変更になりますが、賃金制度見直しの検討自体は、そろそろ始めておくべきではないでしょうか。

福岡市近郊のタクシー会社であれば、一緒に考えてみませんか?

余談になりますが、以前、運収〇円以上□円未満は運収×a%、運収□円以上△円未満は運収×b%・・・・・、という区分をものすごく細かくして、ステップの小さな階段状にしているものを見たことがあります。会社は、それが「積算歩合」という認識だったようですが、確かに小さな積み木を積み上げて階段状にするようなイメージで「積算」と認識していたのかもしれませんが・・・非連続である以上、それは積算歩合ではなく、累進歩合であるというのは前述したとおりです。

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